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ぽっちゃりヒロインに癒される【金の国水の国】の漫画ネタバレ感想

岩本ナオ作品の入門漫画

金の国水の国は2016年7月に発売した岩本ナオ先生の漫画です。

このマンガがすごい!2017 オンナ編」で見事1位を獲得しました!

 

岩本ナオ先生の作品は一番「町でうわさの天狗の子」が好きなのですが、こちらの金の国水の国もオススメです。岩本ナオ作品の入門漫画ですね。

 

「金の国水の国」が好きだと思ったのなら岩本ナオ作品は網羅できると思います…!

 

金の国水の国のあらすじは、

昔々、隣り合う仲の悪い国はしょうもない事で喧嘩を繰り返していました。
みかねて神様は2つの国に取り決めを作ります。

 

A国は国で一番美しい娘をB国に嫁にやり、
B国は国で一番賢い若者をA国に婿にやりなさい。

2つの国の関係を保つために神様が決めたその言葉を、それぞれの国王たちは守ります。けれど戦争は相変わらずするし、諍いも多く、仲はよくありません。

そんなA国の姫であるサーラと、B国の学者の息子であるナランバヤルとの物語です。

 

 

 

体型にコンプレックスを持つサーラの魅力

サーラはどう見てもぽっちゃりさんなぽっちゃりヒロインです。

体型にコンプレックスを持つサーラはとても健気で可愛いです。

「A国で一番美しい娘」としてB国に紹介された時は族長や他の人も「一番美しい娘……?」となってしまいましたが、ここで重要なのは外見ではありません。

 

金の国水の国の主人公2人はどちらも美男美女ではありません。あえて岩元ナオ先生は美男美女に書いていないのだと思います。

外見ではなくて内面の美しさがよく現れた2人だと思います。

 

ナランバヤルが「あっしがもし悪い奴だったらどうすんだよ」と言った時も「家族にオドンチメグ(星の輝き)なんて名前をつける人に悪い人はいませんわ」と言ったシーンもとても好きです。

 

サーラの好きなところをあげたらキリがないほどたくさんありますが、自分を悪く言われるのは耐えても、大事な人を悪く言われたら立ち上がるところも好きです。

 

族長がナランバヤルの事を悪く言った時はそれまで耐えていたのに飲み比べ勝負に参加し、「この国の水が全部ワインでも飲み干す自信がある」とまで言い切ったサーラがとてもかっこよかったです。

その日の岐路での「私は自分を美しいと思ったことなんて今まで一度もないのだから」のモノローグはとても胸が締め付けられました。

 

おっとりしているお姫様でも、やはり体系を気にしていたとわかった時がとても切なかったです。

 

口が達者で賢いナランバヤルの魅力

先を見据えたナランバヤルはこのままではB国もA国もダメなのを知っています。

A国には金はあるが水はなく、B国には金はないが水はある。

では金のあるA国に、B国に繋がる水路を引く。

 

「お嬢さんが生きている間にA国を水に困らない国にしてえんだ」という言葉が本当に本当に素敵で、どれだけサーラのことを大事に思っているのかがわかります。

 

サーラの姉のもとで、愛人を多く持つ左大臣のサラディーンが王女の中から誰か1人と結婚するならどのようにして選べばいいのか、と質問をされます。

その時にナランバヤルが言った「自分の親兄弟と同じかそれ以上に自分を大切にしてくれる人を探しなさい」という言葉も素敵で、

 

お茶の時間に最後に残ったビスケットを黙って1人で食べちゃう人は選んじゃダメってこと」というたとえ話の後にサーラに残ったビスケットを差し出すのも好きなシーンです。

 

素敵なキャラクターたち

 

私が特にお気に入りなのはライララとバウラです。

 

ライララに家族を人質に取られているバウラですが、ピリパッパと国王が「B国の婿を亡き者にする」という話を聞いて、ナランバヤルを助けに来てくれます。
「俺は国交を開いて水路を作るに一票なんだよ」と、人質を取られていても正しい目で世の中を見れるのはすごいと思います。

 

ライララは単純なキャラクターデザインの割にかっこよく活躍してくれるシーンが多くて、おまけに暗殺部隊とかもうかっこよすぎて惚れます。

 

この2人も好きですが、気になっているのは国王です。
国王が「先代王がなぜわしにラスタバンの名前をつけたのか」という問いにナランバヤルは、

 

「ラスタバンは竜の頭の意味で、巨大な竜のようなこの国をまとめられる力ある者にしかその名前を与えないから」と答えました。
「ラスタバン3世は2世にできなかったB国との国交を開いてみては」と売り込むナランバヤルの手腕も惚れ惚れします。

 

「水路に娘の名前をつければ家族思いの勲章も増える」というのも交渉上手でさすがです。
ふがいない王として名前を残したくない国王の気持ちをうまく宥めて良い方向に導き、国王は水路作りを決めました。

 

戦争で解決しようとしていた国王はB国の族長を招き、「これからは我が国の良き友に」と言って和平交渉をしました。
王国は自分がふがいない王と呼ばれるのを恐れていて、けれど誰もいい手段を教えてはくれません。
側にいたピリパッパはそんな国王に耳の良い話をいたのでしょう。

 

盲信的ではありますが、国王自身が戦が好きな訳でもなかったのはよかったと思いますし、身分をあまり気にしていないのも国王の良いところだと思います。

 

まとめ

 

表紙を見たときは正直「好みじゃない気がする」と思っていました。だって主人公ぽっちゃりさんなんですもん…。
漫画には「可愛くない主人公」より断然「可愛い主人公」の方が私は好きです。

 

ではなぜ今回この漫画を購入したのか。

 

それはこの漫画が発売された当初。私が利用していた読書メーター(ユーザーが読んだ本の感想を書き込めるサイト)で多くのユーザーがこの金の国水の国をオススメしていたからです。

 

表紙は好みじゃないけど、そんなに勧めるのなら読む!と思いたち、kindleで購入しました。
もうほんと。読了してからの一番の感想は「ごめんなさい」です。
サーラ、表紙を見た時に可愛くないって思ってごめんね。

 

作者が狙っていたのはこの「外見は決して可愛いとは言えない主人公のことを、読むと可愛さに気づく」というのだったのではないでしょうか。

 

大事なのは外見ではないと、しっかりと伝わりました。
私は岩本ナオ作品で初めて読んだのがこの金の国水の国です。
これだけ繊細な心理描写ができる人ならば他の作品も面白いに違いない!と思って街でうわさの天狗の子を読みました。どちらも泣いてしまいました。

 

現在月刊flowersでマロニエ王国の七人の騎士を連載中です。こちらもぜひ読んで見てください!

 

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